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もうLOVEっ!ハニー!
第8章 優越鬼ごっこ
 ピンクのジャージなんかよりずっと体のラインを見せつけるバスタオル。
 美弥さんは本当にスタイルが良い。
「あーっと……あんま見ないでくれるかな? ボクこの体好きじゃないから」
 きゅっとタオルをきつくする。
 濡れた亜麻色の長髪がポタポタと滴を垂らす。
 水玉模様に染まっていく床を一瞥し、二人は目を合わせた。
「あ、えと……着替え終わるまで待ってますね私。外で」
 踵を返したと同時に細い腕に捕らわれた。
 ぎゅうっと。
「み……」
「避けないで。かんな」
 耳許で掠れた声で。
 首筋に雫が伝う。
 吐息が聞こえる。
 私はそっと、絞め殺さんばかりの力がこもった腕に触れた。
 頭をうなだれて、囁く。
「避けるわけないじゃないですか……今日だって……どれだけ探したと思ってるんです……?」
 チュ、と音をたてて腕にキスをする。
 気づかないうちに涙が頬を流れていた。
「かんな」
 ぱさり、と音が響いた。
 心臓がどくどくと拍動する。
 生身のからだが触れているのがわかった。
 柔らかい胸。
 無駄のない腹。
「ひ……」
 するりと太ももの間に膝が割り入れられた。
 それだけで力が入らなくなる。
 腰から崩れてしまいそう。
「かんな」
 いつもの無邪気な声とは違う低音。

「嫌なら本気で逃げてね」

 ドンッと個室の壁に押し付けられ、見上げる間もなく顎を持ち上げられ、唇を食まれた。
 熱い。
 美弥が右手で水栓を捻る。
 上から注ぐ温水に二人ともびちゃびちゃになりながらキスに溺れた。
 唾液を洗い落とし、涙を巻き添えに。
 バタバタと水滴が落ちる。
「ん……は、んむ」
 昨日の一瞬とは違いました。
 喉まで貪るように。
 脳が焼けそうです。
 舌先をぶつけあい、涙目で。
 腰にかけられた手が体に張り付いた服を上へずらしていく。
 既に下着は透けているんでしょう。
 そう考えると、かあっと熱くなった。
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