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もうLOVEっ!ハニー!
第16章 台風の目の中

 ポロポロと耳まで流れる涙に、情けなさが募り、首をぶんぶん振る。
 反対の乳首を舐め上げながら、服の上から強く擦られた割れ目がジクジクする。
 こんなの痛いだけじゃない、と思ったのもつかの間、中指が入り込み小さな突起が擦られて、甘い声が上がってしまう。
「い、や」
 速度が増して、痺れが強まる。
 乱暴な手つきになすがままに、防衛本能からか下着が濡れてくるのを感じる。
「お願い……やめてください……」
 顔を上げた清龍に懇願するも、返事の代わりに舌先が唇に入ってくる。
 奥に逃げた舌を追うこともせず、好き勝手に口内を舐められる。
 つい先日の幸せなキスが嘘のように。
 顎を伝う唾液を拭うことも出来ず、唇を噛まれ、鼻先を舐められる。
 唾液の臭いに悪寒が走る。
 頬に流れる涙も舐められ、顔中ぐちゃぐちゃになる。
 親指でまぶたを押し上げられたかと思うと、目尻まで舌先が這う。
 このままでは眼球まで襲われるのではと、全身で抵抗する。
「どこが残ってる?」
 清龍が吐息を漏らしながら耳元で尋ねる。
 答える前に耳の奥まで舌が入ってきて、返事も出来ずに喘いでしまう。
 ぐい、と耳たぶを引っ張られて、ズチュッと音を立てながら奥まで犯される。
 恐怖でもはや抵抗も忘れて震えてしまう。
「どこがまだ初めてなの?」
 恐ろしい問いに声が出ない。
 この男は、処女を奪ったのみならず、さらに恥を植え付けようとしている。
「こことか?」
 親指で強く後孔をえぐられる。
 ハッハッ、と息しか出てこない。
 口すら上手く動かない。
「首絞めは?」
 岳斗より少し小さな手が喉を押える。
 グッと力が入り、あの日の記憶が上塗りされる。
「へえ、ガクもこういうことはするんだ」
 拒絶の弱さに汲み取ったのか、清龍は興味をそがれたように首から手を離し、髪を掴む。
 頭皮が引っ張られて、小さく悲鳴が漏れる。
「ベッドに移動しようか」
 何がこの男をここまで焚きつけるのか、考えるだけでも怖かった。
 今はただこの時間が終わることだけを祈り続ける。
 シーツの上に転がされ、布団を纏う間もなくシャッター音が響く。
 カメラを構えた清龍がにこりと微笑んだ。
「や、やめて……」
 何度も響く音に壁際まで逃げる。
「あー、やっぱり、前の方が可愛かった」
 携帯を机に置くと、ベッドにのしかかる。
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