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もうLOVEっ!ハニー!
第4章 暴露ゲーム開始
「本当に怖いのは自覚を伴わない行動力だよ。つばるは自覚がある。かんなは行動力がない。つまり僕が一番恐れているのは……」
呟きは誰にも届かず空気に消えた。
「はぁっ、はっ……そんな逃げなくても。大丈夫?」
陸は壁に手をついて俯く薫に声をかける。
あの部室から随分離れた庭園の渡り廊下に二人はいた。
ふと、初対面の八坂蘭と二人きりで残してきてしまったかんなに悪く思う。
だが、泣きながら走る薫を放っておくわけにはいかなかった。
「あ……あたしが、悪いんですよね」
薫がゆっくりと振り向く。
涙を拭いもせずに。
「か、勝手に付いて、いったり……したから。でもっ、でも……あたしは松園さんと違って、昨日来たばかりだから……誰も、頼れなく、て」
目線が不安定にさ迷う。
陸はパンと手を鳴らして合わせた。
びくりと薫が顔を上げる。
「ごめん!」
「へ……?」
「そうだよな。隆にいが盛ってるどうこう言ってたのも今ならわかるな。かんな一人にかまけて村山さんに案内すらしてなかったんだから上級生失格だ、俺」
こばるになんも言えねえじゃん。
あいつは弟にちゃんと向かい合ってたのに俺って奴は……
溜め息を飲み込んで薫に笑いかける。
「もし村山さんが良かったら一緒に学園内散歩しない? 俺たちもまだあの部室くらいしか行ってないからさ」
差し出された手を見て眉を潜める。
「い……いんですか? あたしなんか」
隆はぐいっと彼女の腕を引いた。
にっと笑って。
「大事な後輩なんだからさ。なんかなんて言わないでくんないかな」
「は、はいっ」
なんだ。
笑ったら可愛いじゃん。
隆は無意識にかんなの笑みと比べてしまった。
やっぱ、かんなの方が可愛いか。
パチンと自分の頬を叩く。
「どっ、どうしたんですか」
「なんでもない、行こうか。戻ろ」
ギュッと隆の手を握る薫。
その唇が緩慢に持ち上がった。
「ええ。戻りましょう」
呟きは誰にも届かず空気に消えた。
「はぁっ、はっ……そんな逃げなくても。大丈夫?」
陸は壁に手をついて俯く薫に声をかける。
あの部室から随分離れた庭園の渡り廊下に二人はいた。
ふと、初対面の八坂蘭と二人きりで残してきてしまったかんなに悪く思う。
だが、泣きながら走る薫を放っておくわけにはいかなかった。
「あ……あたしが、悪いんですよね」
薫がゆっくりと振り向く。
涙を拭いもせずに。
「か、勝手に付いて、いったり……したから。でもっ、でも……あたしは松園さんと違って、昨日来たばかりだから……誰も、頼れなく、て」
目線が不安定にさ迷う。
陸はパンと手を鳴らして合わせた。
びくりと薫が顔を上げる。
「ごめん!」
「へ……?」
「そうだよな。隆にいが盛ってるどうこう言ってたのも今ならわかるな。かんな一人にかまけて村山さんに案内すらしてなかったんだから上級生失格だ、俺」
こばるになんも言えねえじゃん。
あいつは弟にちゃんと向かい合ってたのに俺って奴は……
溜め息を飲み込んで薫に笑いかける。
「もし村山さんが良かったら一緒に学園内散歩しない? 俺たちもまだあの部室くらいしか行ってないからさ」
差し出された手を見て眉を潜める。
「い……いんですか? あたしなんか」
隆はぐいっと彼女の腕を引いた。
にっと笑って。
「大事な後輩なんだからさ。なんかなんて言わないでくんないかな」
「は、はいっ」
なんだ。
笑ったら可愛いじゃん。
隆は無意識にかんなの笑みと比べてしまった。
やっぱ、かんなの方が可愛いか。
パチンと自分の頬を叩く。
「どっ、どうしたんですか」
「なんでもない、行こうか。戻ろ」
ギュッと隆の手を握る薫。
その唇が緩慢に持ち上がった。
「ええ。戻りましょう」