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もうLOVEっ!ハニー!
第5章 悪戯ごっこ
「えと……はじめまして。茜先輩」
「わっ。可愛い。美弥が惚れるのもわかるわ」
三年生は六人でしたね。
美弥さん、蘭さん、茜さん。
校舎ですれ違った岳斗さん、顔は見えなかった清龍さん。
あと一人はどなたでしょう。
「あれ? 茜、なんでおるん?」
後ろから聞こえた声に二人とも顔を向ける。
すらっと背の高いシルエット。
「ガクじゃん。かんちゃんに挨拶?」
「いや、俺はそっちのつばるとかいう奴に用が……あ、君がかんなちゃん?」
「錦……岳斗先輩でしたっけ」
「ガクでええよ。こばるが仲良くしてるみたいやな」
なんだか狐みたいな人です。
その釣り目だけじゃなくて、雰囲気がお稲荷様みたいな神聖さを携えているみたいな。
よくわかりませんが。
岳斗が茜に尋ねる。
「お前、早乙女つばるがこばるの弟って知ってたか?」
「え? ナニソレ、初耳」
「じゃあつばるにはまだ会うとらんか」
「うん。村山薫にはさっき会ってきたけどね。あの子も可愛かった~。今年の新入生は可愛い子ちゃん揃いだよね」
「お前ら三年が微妙すぎるんとちゃう」
「うわ。死ね、関西男」
「死ぬか、アホ」
ポンポンと。
言葉のキャッチボールのラリー。
なんかあれですね。
茜先輩ってまさに高校生って感じがします。
明るくて、あっけらかんとして。
「ねえ、ガク。一緒につばるの挨拶行っていい?」
「ええけど」
そこで硬直した私を岳斗が意味ありげに一瞥する。
「え?」
「あとでまた」
ガチャン。
扉が閉まる。
あとでってどういうことでしょうか。
扉越しに会話が聞こえる。
「清龍はどしたの」
「まだ煙草とちゃう?」
「あいつ隆にいに見つかって追い出されればいいのに」
「ぶはっ。お前性格わっるいなあ」
「あら。そう?」
清龍。
峰清龍先輩。
さっきは黒ハットのせいで顔が見えなかったけれど。
どこかで見た覚えがあるんですよね。
時計を見る。
まだ夕飯まで時間がありますし、岳斗先輩もそんなに早くは来ないでしょう。
静かに扉を開いて廊下を走る。
入寮資料によると三〇七号室が清龍先輩の部屋。
急いで行ってみましょう。
タンタン。
足音が廊下に響く。
「あれ? JCかんなちゃん。どこ行くの?」
「こばる先輩!? えっと、三階にちょっと」
耳を弄りながら歩いてきたこばるとすれ違う。
「わっ。可愛い。美弥が惚れるのもわかるわ」
三年生は六人でしたね。
美弥さん、蘭さん、茜さん。
校舎ですれ違った岳斗さん、顔は見えなかった清龍さん。
あと一人はどなたでしょう。
「あれ? 茜、なんでおるん?」
後ろから聞こえた声に二人とも顔を向ける。
すらっと背の高いシルエット。
「ガクじゃん。かんちゃんに挨拶?」
「いや、俺はそっちのつばるとかいう奴に用が……あ、君がかんなちゃん?」
「錦……岳斗先輩でしたっけ」
「ガクでええよ。こばるが仲良くしてるみたいやな」
なんだか狐みたいな人です。
その釣り目だけじゃなくて、雰囲気がお稲荷様みたいな神聖さを携えているみたいな。
よくわかりませんが。
岳斗が茜に尋ねる。
「お前、早乙女つばるがこばるの弟って知ってたか?」
「え? ナニソレ、初耳」
「じゃあつばるにはまだ会うとらんか」
「うん。村山薫にはさっき会ってきたけどね。あの子も可愛かった~。今年の新入生は可愛い子ちゃん揃いだよね」
「お前ら三年が微妙すぎるんとちゃう」
「うわ。死ね、関西男」
「死ぬか、アホ」
ポンポンと。
言葉のキャッチボールのラリー。
なんかあれですね。
茜先輩ってまさに高校生って感じがします。
明るくて、あっけらかんとして。
「ねえ、ガク。一緒につばるの挨拶行っていい?」
「ええけど」
そこで硬直した私を岳斗が意味ありげに一瞥する。
「え?」
「あとでまた」
ガチャン。
扉が閉まる。
あとでってどういうことでしょうか。
扉越しに会話が聞こえる。
「清龍はどしたの」
「まだ煙草とちゃう?」
「あいつ隆にいに見つかって追い出されればいいのに」
「ぶはっ。お前性格わっるいなあ」
「あら。そう?」
清龍。
峰清龍先輩。
さっきは黒ハットのせいで顔が見えなかったけれど。
どこかで見た覚えがあるんですよね。
時計を見る。
まだ夕飯まで時間がありますし、岳斗先輩もそんなに早くは来ないでしょう。
静かに扉を開いて廊下を走る。
入寮資料によると三〇七号室が清龍先輩の部屋。
急いで行ってみましょう。
タンタン。
足音が廊下に響く。
「あれ? JCかんなちゃん。どこ行くの?」
「こばる先輩!? えっと、三階にちょっと」
耳を弄りながら歩いてきたこばるとすれ違う。