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もうLOVEっ!ハニー!
第6章 思惑先回り
「ああ、だったね」
 美弥が思い出し笑いをする。
 その横顔に冷たい視線が刺さる。
 物凄い眼で尚哉がこちらを睨んでいた。
 去年の試合でなにがあったんでしょう。
 きっと尚哉さんの身長にかかわることなのでしょう。
 だから尋ねません。
「おっ。点入った」
 賢の言葉についコートを見てしまう。
 元々スポーツ観戦は好きなのです。
 敵側のゴール下で口元を拭うつばるに拍手が降り注いでいる。
「いきなりシュート決めたのが寮生なんだから盛り上がるよな」
 ぬっと後ろから現れた清龍に全員が飛び上がった。
「驚かさないでよ、清龍先輩っ」
 私は急いで美弥さんの方に寄る。
 それを見て彼は少しだけ寂しげに眉を歪ませたがすぐに試合に視線を戻した。
「あのつばるって新入生、バスケ歴長いらしいな」
「確か小学から地元チームのキャプテンで……」
「なんでかんながそんなこと知ってるの?」
「い、いえ。噂です」
 じーっと見てくる美弥から目を逸らす。
 確か地元の大会で何度も得点王になっていた。
 今更思い出すなんて。
 そこでぞわりとした。
 こばるさんとガク先輩は本当に勝てるんでしょうか。
 歓声が上がる。
 また得点だ。
 今度は三点シュート。
「かぁっこいい!」
「あの新入生なんて名前?」
「早乙女つばるだって。名前も格好いい! でもちょっと可愛い」
 周りの先輩女子が黄色い声で云う。
 そうなんですね。
 あの顔はお姉さま方からしたら可愛いんですね。
 理解できませんけど。
 あの眼に灯る意地悪な光を知っている私は冷たく否定する。
「あんなやんちゃバカのなにがいいんだか。ここに天使がいるのに」
 美弥も納得できないように呟いた。
「今年の話題はあいつになりそうだけどな」
 清龍の言葉に不満げに頬を膨らますも、美弥もそれは認めざるを得ないようだ。
 賢がヘッドホンを装着する。
「おい。誘ったのお前じゃないんかいっ、マリケン!」
 鋭く突っ込んだ美弥にプラプラ手を振る。
「BGMっすよ」
「にー? アイドル曲が?」
「いいじゃないっすか、そこは」

 一試合目の結果。
 二十八対十三で新入生チームの勝ち。
 それも二十点はつばるの得点だ。
 そんなものだから会場の注目は彼一人に注がれた。
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