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女教師と男子生徒、許されざる愛の果てに~シークレットガーデン
第4章 哀しいすれ違い
 もっとも、心優は平成生まれだから、昭和の時代というものをまったく知らない。昔の写真集とかテレビで見たことがあるくらいものだ。
 勤務の帰りを立ち寄ったため、服装はいつもどおりのオフホワイトのシフォンのシンプルなブラウスと紺色のタイトスカートである。背中の半ばまであるロングへアもいつものように後ろで束ねて紺色の小さめのリボンバレッタをつけていた。
「N駅前、確か住所は駅前町一丁目の○の△、こまどり荘」
 心優はアーケード街を抜けて、メモの走り書きを見ながら、更に歩いた。〝こまどり荘〟はすぐに見つかった。どうやらこの小さな下町全体が昭和の雰囲気を色濃く残す場所らしい。こまどり荘というネーミングもいかにもといった感じだが、実物も鉄筋二階建てのレトロというか古色蒼然とした昭和の写真でよく見かけるような代物だった。
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