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独占欲に捕らわれて
第1章 困った親友
都内のある駅前、誰もが2度見をするほど美しい女性が、スマホを見て舌打ちをする。
「もー、今日はストレス解消したかったのに……」
美女は不満げに頬を膨らませながらスマホを操作すると、カバンにしまった。
彼女の名は綾瀬千聖、24歳のOLだ。豊満な胸にキュッと締まったくびれ、控えめなサイズのヒップにスラリと伸びた長い脚と、モデル顔負けのプロポーションの持ち主である。大きな目にすぅーっと通った鼻、薄く小ぶりな唇と、顔立ちも整っている。
そんな彼女がイラついている理由は、至極単純でありふれたものだ。千聖には、優奈という高校時代からの親友がいる。
彼女は自称“彼氏途切れると死んじゃう病”で、男に振られては憂さ晴らしから合コンまで、千聖を振り回す悪癖がある。
千聖も頭では突き放せばいいと思ってはいるが、数少ない友人を放っておけないでいるのだ。
「お待たせ、千聖ちゃん」
陰鬱な顔をしている千聖に声をかけたのは、白髪混じりのオールバックが似合う、高級スーツを着た中年男性だ。腹は少し出ているが、高い背丈と自信に満ち溢れたオーラが、それをカバーしている。
「ヨシさん、ごめん……。今日はホテルに泊まれなさそう……」
千聖は顔の前で手を合わせ、頭を下げる。
「また例の親友かい?」
ヨシさんと呼ばれた男性は、慣れているのか、嫌な顔せずに聞く。彼の名は芹沢義和。とある会社の社長で、千聖の“パパ”だ。
「そう……本当にごめん……。1時間半くらいしか、ホテルにいられそうにない……」
「気にしないで。時間がそれくらいなら、デートしようか」
義和はにこやかに言う。
「デート? ホテルに行かなくていいの?」
千聖は狐に包まれたような顔をする。
「せっかく君のような美人が、私のようなおじさんを相手にしてくれてるんだ、ホテルに行くことばかりにこだわっては、損というものさ。たまにはデートして見せびらかさないとね」
義和は茶目っ気たっぷりにウインクしてみせる。
「もー、今日はストレス解消したかったのに……」
美女は不満げに頬を膨らませながらスマホを操作すると、カバンにしまった。
彼女の名は綾瀬千聖、24歳のOLだ。豊満な胸にキュッと締まったくびれ、控えめなサイズのヒップにスラリと伸びた長い脚と、モデル顔負けのプロポーションの持ち主である。大きな目にすぅーっと通った鼻、薄く小ぶりな唇と、顔立ちも整っている。
そんな彼女がイラついている理由は、至極単純でありふれたものだ。千聖には、優奈という高校時代からの親友がいる。
彼女は自称“彼氏途切れると死んじゃう病”で、男に振られては憂さ晴らしから合コンまで、千聖を振り回す悪癖がある。
千聖も頭では突き放せばいいと思ってはいるが、数少ない友人を放っておけないでいるのだ。
「お待たせ、千聖ちゃん」
陰鬱な顔をしている千聖に声をかけたのは、白髪混じりのオールバックが似合う、高級スーツを着た中年男性だ。腹は少し出ているが、高い背丈と自信に満ち溢れたオーラが、それをカバーしている。
「ヨシさん、ごめん……。今日はホテルに泊まれなさそう……」
千聖は顔の前で手を合わせ、頭を下げる。
「また例の親友かい?」
ヨシさんと呼ばれた男性は、慣れているのか、嫌な顔せずに聞く。彼の名は芹沢義和。とある会社の社長で、千聖の“パパ”だ。
「そう……本当にごめん……。1時間半くらいしか、ホテルにいられそうにない……」
「気にしないで。時間がそれくらいなら、デートしようか」
義和はにこやかに言う。
「デート? ホテルに行かなくていいの?」
千聖は狐に包まれたような顔をする。
「せっかく君のような美人が、私のようなおじさんを相手にしてくれてるんだ、ホテルに行くことばかりにこだわっては、損というものさ。たまにはデートして見せびらかさないとね」
義和は茶目っ気たっぷりにウインクしてみせる。