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独占欲に捕らわれて
第1章 困った親友
「もちろんだよ。言ったろう? 君のような美人は、見せびらかさないと。それに、私も楽しかったからね。ほら、これで友達と呑んで来なさい」
義和は薄桃色の可愛らしい封筒を差し出した。
「いいの? ホテルに行ってないのに」
「当たり前だろう。ほら、遅刻してはいけないよ」
「ありがとう、ヨシさん。またね」
千聖は義和の頬にキスをすると、小走りで駅に向かった。
「まったく、千聖ちゃんは男を喜ばせるのが上手いね……」
義和はキスされた頬に触れながら、ニヤけ顔で呟いた。
待ち合わせ時間10分前、千聖は待ち合わせ場所に指定された居酒屋についた。店内を見回し、スーツを着た童顔ツインテールの優奈を探す。
「あ、いた……」
4人掛けのテーブル席に座っている優奈はもう、カシスオレンジを呑んでいる。
「もう来てたの?」
「おっそーい! 30分くらい待ったんだけどー?」
優奈は不機嫌全開で、カシスオレンジを飲み干した。
「アンタが9時って言ったんでしょ? 時計を見なよ、まだ8時50分よ?」
千聖はあきれ返りながらも向かいの席に座ると、通りがかった店員に、ハイボールを注文した。優奈もカシスオレンジのおかわりを注文する。
「こんな状態で、ひとりでいらんないわよ……」
優奈はすすり泣き出した。
(こりゃ徹夜だわ……)
千聖は内心ため息をつきながら、ポケットティッシュを渡す。以前ハンカチを渡したら、鼻をかまれてしまったことがあり、それ以来、千聖はポケットティッシュをふたつは持ち歩くようにしているのだ。
「それで、今回はどうしたの? あんなに仲良かったじゃない」
千聖が聞くと、優奈は泣きながら別れの経緯を話し出した。話の最中に思い出話を混じえたり、同じ話を何度も繰り返したりしたため、5分で終わる話が1時間もかかってしまった。
義和は薄桃色の可愛らしい封筒を差し出した。
「いいの? ホテルに行ってないのに」
「当たり前だろう。ほら、遅刻してはいけないよ」
「ありがとう、ヨシさん。またね」
千聖は義和の頬にキスをすると、小走りで駅に向かった。
「まったく、千聖ちゃんは男を喜ばせるのが上手いね……」
義和はキスされた頬に触れながら、ニヤけ顔で呟いた。
待ち合わせ時間10分前、千聖は待ち合わせ場所に指定された居酒屋についた。店内を見回し、スーツを着た童顔ツインテールの優奈を探す。
「あ、いた……」
4人掛けのテーブル席に座っている優奈はもう、カシスオレンジを呑んでいる。
「もう来てたの?」
「おっそーい! 30分くらい待ったんだけどー?」
優奈は不機嫌全開で、カシスオレンジを飲み干した。
「アンタが9時って言ったんでしょ? 時計を見なよ、まだ8時50分よ?」
千聖はあきれ返りながらも向かいの席に座ると、通りがかった店員に、ハイボールを注文した。優奈もカシスオレンジのおかわりを注文する。
「こんな状態で、ひとりでいらんないわよ……」
優奈はすすり泣き出した。
(こりゃ徹夜だわ……)
千聖は内心ため息をつきながら、ポケットティッシュを渡す。以前ハンカチを渡したら、鼻をかまれてしまったことがあり、それ以来、千聖はポケットティッシュをふたつは持ち歩くようにしているのだ。
「それで、今回はどうしたの? あんなに仲良かったじゃない」
千聖が聞くと、優奈は泣きながら別れの経緯を話し出した。話の最中に思い出話を混じえたり、同じ話を何度も繰り返したりしたため、5分で終わる話が1時間もかかってしまった。