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独占欲に捕らわれて
第7章 苦悩
「どうしちゃったのよ、私は……」
千聖はため息をつくと、ハイボールを飲み干した。勢いよくグラスを置くと、スマホが鳴った。音でLINE通話だと分かる。スマホをポケットから出して画面を見れば、紅玲の名前が浮かび上がっている。千聖は何故か安心を覚えながら、スマホを耳にあてる。

「いきなり通話だなんて、珍しいじゃない?」
『千聖さん、斗真だよ。……そのにぎやかさから察するに、呑んでる最中か……』
何故か紅玲のスマホで連絡を取ってきた斗真の声音は、重苦しいものがある。
「あら、あなただったの。えぇ、呑んでる最中だけど、どうしたの?」
『悪いんだけど、カーラ・ミラっていうバーに来てもらえるかな? 何か嫌なことがあったらしくてね、紅玲が酔いつぶれてるんだ。さっきからスクリュードライバーだのアレキサンダーだの、そんなのばっかり呑んでて大変なんだよ……。僕が止めても聞かなくってさ……』
斗真は困り果てたような声で言うと、ため息をついた。

「千聖ちゃん、君は酒豪だから大丈夫だろうけど、バーに連れてこられたら、自分でカクテルを選んだ方がいい。酒とバラの日々って映画を、今度見てごらん」
アレキサンダーと聞いて、千聖は初めて義和にバーへ連れていってもらった日のことを思い出す。カクテルにはレディーキラーといって、女性好みの甘い味に似合わず、アルコール度数が高いものがたくさんあると教わった。アレキサンダーはもちろんのこと、スクリュードライバーもそのひとつだ。

「分かった、今行くわ」
『助かるよ……。通話切ったら地図を送るよ』
「えぇ、おねがいね」
通話が終わってすぐに、地図アプリのURLが送られる。URLをタップすると地図が開き、ここから歩いて3分もしない所にあることが分かった。
「じゃあ、あの話はやっぱり……」
女性達が話していたのが紅玲とぶつかった女性だと悟った千聖は、会計を済ませて居酒屋を飛び出した。

早歩きで地図通りに歩くと、電柱に寄りかかっている斗真の姿が見えた。
「斗真!」
小走りで近寄れば、斗真は目を丸くする。
「驚いた……。ずいぶんとはやいな……」
「偶然近くで呑んでたの。紅玲は中に?」
「あぁ、そうだ……。悪いけど、紅玲を頼む。今度僕のおごりで呑みに行こう」
斗真はおちょこを傾ける仕草をしながら言う。
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