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狼になる瞬間
第4章 デート

拓馬に怒られてしゅんとなる美優。

「…ごめんなさぁいぃ…」

「…ったく。…ブツブツ…自分が可愛いって、自覚もてよな。今までもどんだけ…ブツブツ…」

拓馬は小声でブツブツ言って、
美優には聞こえなかった。

「…え?」

「なんでもねぇよ!!」

美優はまた怒鳴られてしまった。

「うぅ…」

美優はもう半泣きだった。

「もういい。泣くなよ。」

「…チケット買えた?」

「そんな早く買えるわけねぇだろ!
並んでるのにお前が変な奴らに絡まれてるから抜けてきただろうが!!」

「え?そうなの?」

「…ったく。また始めからだよ…。」

それを聞いた美優はパァッと嬉しくなった。

(…並んでる時も見ててくれたんだ…♡)

「…なに、ニヤニヤしてるんだ…?」

ちょっぴり怒りのこもった声に背筋が伸びた美優。

「な、なんでもありません!!」

「…行くぞ。」

「え?どこに?」

「チケット買いに並ぶんだよ!!」

「え…でも2人じゃダメじゃ…」

「いいんだよ!!」

そう言うと、チケット売り場の最後尾に2人でつく。

もちろん「お一人で…」と声を掛けられたが、
相手が若い女性だったということで
拓馬が一言「だめですか…?」とおねだりすると
一発でOKが出た。

美優は腑におちなかった。

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