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ひと夏の恋……そして……
第8章 彼との深まる愛

「大丈夫、誰もこないからしばらくの間こうしていよう?」
誰も来ないとかそういう問題ではないと思ったけど、伝わる体温が気持ち良くて素直に頷いた。
ただ何をするわけでもなく肌を合わせて夏の海を眺め、押し寄せては引いていく波を見ながら静かな時を和泉とふたりで過ごした。
「そういえば、私のお気に入りの風景を聞いた事覚えてる?」
「覚えているよ。夕焼けから夜空に代わる瞬間だっけ?一度見に行きたいと思ってるよ」
たった一度だけしか話していない事を覚えていてくれたことがうれしくて振り向くと、優しいまなざしを向けられながらキスをされた。
太陽が降り注ぐ中でのキスは恥ずかしかったけど、そんな事も次第に分からなくなる。
お互いに舌を絡ませながら、いつものようにもっと触ってほしいと身体がうずき始めていた。
絡まる舌が解けると何だかさみしくて、和泉の服をギュっと握って止めないでと目で訴えると荒々しいキスに変わった。
深くなればなるほど和泉の唾液が舌を伝って私の中に広がって媚薬のように心さえも解かされる。

