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第13章 Wデート

家に帰り、夕飯の片付けをしながら、Wデートの事を琉に話す愛里咲。

だが、琉からの返事は案の定…

「やだね」


「何で⁈ ケチ‼︎ 」

お決まりの言葉が返ってきて、予想通りと思いながらも愛里咲は声を荒げた。

「せっかく会社で仲良くなれそうな人が出来たのにっ、協力してくれたっていいじゃないっ‼︎ 」

着けていたエプロンで乱暴に手を拭くと、ソファーに座る琉の元へと勢い込んで駆け寄った。


「そんな事より旅行の準備が先だろ？」

愛里咲の怒り様をチラリと見た後、琉は静かにガイドブックを開く。


「あと1ヶ月もあるんだよ？ たかが1日くらい付き合ってくれてもいいじゃん！」

「やだね」

尚も食い下がる愛里咲に、琉はまたお決まりの言葉を返す。


「ケチっ、琉ちゃんのケチ‼︎ いいよ、私が佐藤さん誘うから‼︎ 」

テーブルの上に置かれていた琉の携帯を奪い、愛里咲は部屋の隅へと避難する。