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サディスティック・マリッジ
第13章 Wデート
『Wデート⁈ マジ⁉︎ 行くに決まってんじゃん‼︎ 』

琉が電話をすると、佐藤からノリノリで返事が返ってきた。

無理矢理脱がされたエプロンの紐で両手をグルグル巻きにされ、琉の腕の中に囚われた愛里咲にも聞こえるくらい、佐藤のテンションが高いのがわかる。


佐藤との電話を終え、琉は愛里咲の携帯を開く。

メールで根岸とも連絡を取り、今週末にWデートを決行する事になった。


「よっ…よかった……ありがと」

愛里咲は引き攣った笑いを浮かべ、機嫌を取るように琉に擦り寄る。

「そーだな……佐藤さんに彼女が出来れば、今よりも愛里咲と過ごす時間が増えるな」

満面の笑みでそう言う琉に、不覚にも愛里咲の胸がときめく。


(甘い…こんな甘い言葉嬉しい…けど…っ…この笑顔が怖いーっ‼︎ )

思わず身を引いた愛里咲。
その身体を、琉が満面の笑みのまま引き寄せる。


「ごっ、ごめんなさいっ‼︎ 感謝してますのでっ、これ解いて‼︎ 」

愛里咲は、ズイッと琉の目の前にエプロンの紐でグルグル巻きにされた両手を差し出す。


「すぐに解いてやるよ」

琉の笑顔と言葉に、愛里咲の顔がぱぁっと輝く。

─────が、

「愛里咲の頑張り次第で…な」

ニッと意地悪く持ち上げられた琉の口の端。


「きゃぁぁぁっ‼︎ ごめんなさぁぁぁいーっ‼︎ 」


リビングに、愛里咲の泣き叫ぶ声が響き渡った。

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