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サディスティック・マリッジ
第1章 元彼との再会
「夏川くん、ランチ行かない?」

今日も琉の周りには女子社員が集まり、ランチのお誘いをしている。


高校時代は髪を茶色く染めていた琉だが、今は黒色に戻し、短く切り揃えている。
しかも、うらやましいくらいのサラサラヘアだ。

切れ長の目に、通った鼻筋、薄く引き締まった唇。
"端正な顔"という言葉がピッタリな程、文句無しにカッコイイ。

180は欲しいと言っていた身長も、多分そのくらいまで伸びたのではないかと思える。

抜群の運動神経の持ち主だったから、何かスポーツをやっていたのか、程よく男らしい、ガッチリした身体をしている。

その上、良く気が利いて、仕事の覚えも早い琉は、男性社員からも女子社員からも可愛がられていた。


特にお局津川は、琉がかなり気に入ったらしく、毎日ランチやら飲み会やらに誘っている。

「夏川くぅん、お弁当作ってきたよ?」

琉の背後から近付いた津川が、後ろからガバッと抱き着いた。

「え? あ…佐藤さんと定食屋行くんで……」

振り返り、津川を引き剥がす琉。


琉は仕事のペアに当たる先輩社員の佐藤とかなり気が合うらしく、毎日のようにあちこち遊びに行っている。

そのため、今のところ津川の誘いに乗っている様子はない。だが、津川は凝りもせず毎日琉に声を掛けていた。

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