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爪先からムスク、指先からフィトンチッド
第26章 兵部家の一族
「じゃあ、ここらへんで、わたしからお祝いの歌、お贈りしますね」
鈴音が立ち上がり、こほんと咳払いすると透哉が手拍子を打ち始めると「えんやぁ~」と鈴音が一声を発した。
朗々と響く歌声は軽やかに伸びやかに『祝い唄』を熱唱する。
初めて聞くプロの歌う民謡というものに芳香は圧倒される。鈴音が歌ったのは『木遣り唄』と呼ばれるものでめでたい席で歌われる唄だ。
声というものがマイクもバックミュージックもなく人を魅了するものだとは知らなかった。
透哉は手拍子を打ちながらも目をつむり、鈴音の声を自分の中に浸み込ませるように首を振ってリズムを取り、聞き入っている。
歌い終わった後、拍手の嵐が巻き起こり鈴音はぺこりとお辞儀をして座る。
「とても素晴らしかったです」
芳香が感動を告げると、鈴音がにっこり笑い、となりの透哉がそうだろうそうだろうと、うんうん頷いていた。
鈴音が立ち上がり、こほんと咳払いすると透哉が手拍子を打ち始めると「えんやぁ~」と鈴音が一声を発した。
朗々と響く歌声は軽やかに伸びやかに『祝い唄』を熱唱する。
初めて聞くプロの歌う民謡というものに芳香は圧倒される。鈴音が歌ったのは『木遣り唄』と呼ばれるものでめでたい席で歌われる唄だ。
声というものがマイクもバックミュージックもなく人を魅了するものだとは知らなかった。
透哉は手拍子を打ちながらも目をつむり、鈴音の声を自分の中に浸み込ませるように首を振ってリズムを取り、聞き入っている。
歌い終わった後、拍手の嵐が巻き起こり鈴音はぺこりとお辞儀をして座る。
「とても素晴らしかったです」
芳香が感動を告げると、鈴音がにっこり笑い、となりの透哉がそうだろうそうだろうと、うんうん頷いていた。