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星逢いの灯台守
第3章 空蝉のひと
…結婚…か。
しかも相手は片岡ではないらしい。
宮緒は少なからず驚いた。
澄佳が選んだ相手はどんな男性なのだろう。
…澄佳は、あの小さな海の町に今も住んでいるという。

…逢いたい…。

ふと胸によぎった。
幸せに暮らしているなら、それでいい。
その姿を見るだけでいい。
ひとめ、彼女に逢いたい…。

仕事も一段落着いていた。
ホテルの評判は上々だ。
夏季繁忙期を少しすぎ、社内も一息ついていた。

遣り手の秘書からは宮緒の働きすぎを常に心配され、休みを取るように口を酸っぱくして忠告されていた。
「…社長。一度日本に帰られたらいかがですか?
この五年、一度もご帰国されていませんよ。たまにはゆっくりと休暇を取られてください」
…それもいいかもしれないと、ふと思った。
気付くと宮緒は、東京へのエアチケットの手配をしていた。

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