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碧の島 2
第14章 麻友の過去
何かがおかしい。
誰に聞いても星野家を恨む人はいない。
手に持っていた資料をデスクに置き深いため息。
近所の付き合いも良好、自治会の行事にも夫婦で参加をし困った人を助けてきた星野家は昔から近所の人たちから慕われ・・・・。
会社内でも社員を大事にしていた星野氏。
奥さんも明るく謙虚、威張ることもない控えめな女性だったという。
長女も異性との揉め事もなく婚約者は事件当日海外に居て仲は良好。
今は亡き婚約者を殺めた犯人の逮捕に全面協力してくれている。
・・・・・・・。
次女の桜・・・も何の問題もなく交友関係も良好、当初特定の異性と関係はなく揉めていた様子もない。
彼女は事件当日、昼過ぎから出かけ夕方女性の知人と都内のレストランで食事。
本人の供述通り彼女が行った先の場所に設置されている監視カメラには彼女がきちんと映っていたのだ。
はぁ・・・・。
現場に残されていた指紋は一切なく・・・何も残されてはいなかった。