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飼い殺しの犬
第1章 飼い殺しの犬
「わー、凄ーい!」
「美味しそう!」
「……だろー?」
派手な女性二人が料理を前に感嘆すれば、強化メンバーの木下先輩が自慢気に答えた。
「てか、あの娘は?」
「あー、柚希ね。あいつは只の飯炊き女」
女性二人は、先輩達に誘われてここのシャワーを借りに来た……らしい。
まぁ、つまりはナンパされたって事。
臍出しキャミソールから露出された、小麦色の肌。潮と化粧と日焼け止めクリームの交じった匂い。
胸の谷間が強調され、その奥は日焼けしていない素肌がチラリと見える。
畳にあるローテーブル。……というより、民宿の広間にありそうな、古臭い長テーブル。
その上に、柚希が拵えたお洒落な料理が次々と運ばれる。
女性2人を真ん中に座らせ、サークル幹部である渡瀬先輩と木下先輩が両隣に密着するように座る。
他の幹部候補四人はその正面に座り、騒いで場を盛り上げる。
結局、場所とシチュエーションが変わっただけで、いつもと変わらない、飲みサー。
台所脇に立つ柚希は、黙ってこの光景を眺めていた。