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第39章 酔い

○実は少し涙ぐんでいる。

「お助けをいただかないと、私は、私だけでは……」
堰を切って涙は頬を伝った。

涙粒が落ちる寸前に、男は○実の傍らにいた。筋肉質な腕で○実の肩を抱いて、そのドス黒い頬と首筋を○実の柔白いうなじに寄せて囁く。

「ご心配なさらずに、ご療養下さい。もう少し落ち着かれましたら、私どもの所でも、お役目を担っていただけることもありますし、ここではご安心してお過ごしできること、お約束します」