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第42章 ゴミ溜め

「……ああ、やっぱここも、くせーし」

この部屋には酒の飲み残しと食べ滓、玉ねぎスープみたいな雌臭、そして雄が放った栗の花スペルミンの匂いが漂っていた。
それらが合さり、歓楽街の路地裏、そのドブ臭にも等しい。

臭気は男の顔面に殺到する。
ごちゃ混ぜの異臭は、湯上がってせっかくリセットされた鼻孔をひん曲げた。

「……ああ、いらっしゃいましたか。すみませんが、隣の娘の居室に来てください。お願いします」