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NAKED
第100章 焚き火
堂の中には蝋燭がある。
木製の壇にはガラスの容器があるようだ。
○雄はポケットから百円ライターを取り出す。
凍えた指で何度もカチカチやる。
着火しようとするが、湿気て火花だけがやっと散る。
何度目か、ようやく小さな火が点いた。
蝋燭を灯す。明かりを得て堂の扉を閉じる。
ずぶ濡れになった衣服は、体温を全て奪い取るように、○雄の素肌に、へばりつく。
足元が重い。靴と靴下を脱ぐ。
一服しようとタバコを取り出すが濡れている。
もう吸える状態ではなかった。