この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
NAKED
第104章 地の果て
浴室のはめ殺し窓には黒のカーテンが掛かっている。だがそれは布の幕ではない。ゾロゾロと微妙にフォーメーションを変形させている。
それら全てが親バエの群れであった。
浴室の湿度に混じり、じとーっと重みのある異臭は、臭覚の崩壊を通り越して、○雄の五感が堪忍できる限界に達する。
退路を閉ざす黒い弾幕に銀色の刃を振り回す。飛翔体にはかすりもしないが、一筋の脱出道だけは切り開かれる。
胃酸が逆流し、嘔吐を繰り返す。
ようやく引き戸の出口まで戻る。
死臭の呪いを浴びてフラフラになりながらも、○雄は次のコテージを目指していった。
それら全てが親バエの群れであった。
浴室の湿度に混じり、じとーっと重みのある異臭は、臭覚の崩壊を通り越して、○雄の五感が堪忍できる限界に達する。
退路を閉ざす黒い弾幕に銀色の刃を振り回す。飛翔体にはかすりもしないが、一筋の脱出道だけは切り開かれる。
胃酸が逆流し、嘔吐を繰り返す。
ようやく引き戸の出口まで戻る。
死臭の呪いを浴びてフラフラになりながらも、○雄は次のコテージを目指していった。