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第4章 森の主

「よく考えてみてください。フレイアの父君と母君は穢らわしくないでしょ？」


「何故…そこで妾の父上と母上がでてくるのじゃ？二人とも高位のドラゴンじゃ。穢らわしいわけが無かろう？」


「ですが、フレイア。愛し合わなければ新しい命は出来ません。目合(まぐあ)わなければ貴女は産まれていないのですよ？
そこに穢らわしさは一つもありません。
だって、貴女に残ったのは愛情と慈しみ…そして、気高さではありませんか。」


「妾の考えは…父上と母上を穢らわしいと思っていたのと…同じこと…？

そんなっ…そんな！
嘘じゃ！誰もそんなこと言っていなかった！」


「そうかもしれません。では、貴女は誰かに質問をしましたか？
貴女は見て学ぼうとするだけで、聞いて学ぼうとはしなかったのではないでしょうか？」


「そ…それは…」


そこまで言うと、ヘアアレンジを終えた私は椅子に座るフレイアに目線を合わせるために、彼女の正面へ立て膝になり、フレイアの右手を両手で握りしめた。



「だから、私が教えてあげます。
フレイアの父君と母君は愛し合っていました。
だからフレイアは産まれたのです。
父君と母君が目合ったからフレイアは産まれたのです。」