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性欲部
第2章 1学期終業式の後で
僕は、今年中2で14歳の、男子。名前は、ケイタという。

身長は、160センチ。スリムなほう。部活はしておらず、帰宅部であった。
顔は、まあ、普通。というか、どこにでもあるありふれた特色のない顔だちである。
趣味は、オナニー。そう、僕はエロいことが日常生活の100%だった。しかし、これは男子中学生としては、ごく普通のことで。それ以外の趣味は、深夜アニメの視聴。学園を舞台とする、男子一人に女子数人というハーレムものが大好きである。

しかし、リアルにそれは実現することがない。
なぜなら僕は、非モテで、生まれてこのかた彼女というものを作ったことがない。彼女どころか、僕に好意を持つ女子も皆無という悲惨な状況。
それもそのはず、僕はクラスではほとんど空気のような存在で、いるかいないのかわからないという。個性がなく平々凡々なキャラなので、しかたない。
それでも、色目を使う勇気があれば、女子にエロ視線を送れるはずだ。女子中学生の年代は、男子のエロい視線に敏感に反応する。エロ視線を向けてきた男子に、強い興味を示すのだ。しかし、僕にはそんな勇気はなかった。おかげで、僕は、女子からまったく注目されない状態だった。
それでも、男子の間で人気があれば、女子も放っておかないだろう。しかし僕は、ぼっちであった。友だちがいない。というか、生まれてこのかた友だちを持ったことがない。それで不便じゃないか?と思うだろうが、実のところ、たいして不便じゃない、むしろ便利だった。でも、おかげで僕は、男子の間でも影の薄い存在であった。

さて、そんな個性のかけらもない僕について、母親がよく言っていた。
「ケイタは、世界でいちばん優しい」
言っていた、というのは、実は僕の母親は、僕が小2のときに病気で他界していた。父親は、僕が赤ん坊の時に家出し、そのまま帰ってきていない。僕には、きょうだいがいない。僕は、母親の父、つまり母方の祖父に育てられ、今日に至る。
ちなみに、僕が住んでいるのは、中学校の校門の前にある平屋建ての古い家である。祖父は資産家で、あちこちに家を所有している。そのうちの1軒だ。建物は平屋だが、ものすごい広い。部屋が15もある。ひとりでは到底使いにくい。しかも、祖父母はほとんどこの家に顔を見せない。生活費として、毎月1日に50万円が送られてくる。おかげで僕は、中2にしてひとり暮らしをしていた。
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