この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第3章 第一話【天つみ空に】 其の参
おまけに、清五郎のことを〝父〟か〝兄〟のようだと言ったのだ、あの小娘は。
―伊勢屋さんが今は私のおとっつぁんやお兄さんのようだから、淋しくはありません。
あの可愛らしい貌に笑みさえ浮かべて言い切ったのだ。全く、冗談じゃない。何も自分は一生、夫婦ごっこをするつもりでお逸を迎えたわけではない。むろん鬼畜じゃあるまいし、今すぐに手を付けようとまでは思わないが、一、二年その成長を待った後には名実共にお逸を女房にしようと考えているのだ。
―伊勢屋さんが今は私のおとっつぁんやお兄さんのようだから、淋しくはありません。
あの可愛らしい貌に笑みさえ浮かべて言い切ったのだ。全く、冗談じゃない。何も自分は一生、夫婦ごっこをするつもりでお逸を迎えたわけではない。むろん鬼畜じゃあるまいし、今すぐに手を付けようとまでは思わないが、一、二年その成長を待った後には名実共にお逸を女房にしようと考えているのだ。