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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第1章 第一話【天つみ空に】 其の壱
「伊勢屋さんには、本当にどこまでお礼を申し上げたら良いのか判りません。ありがとうございます」
お逸が両手をついて頭を下げると、清五郎は細い眼をなおいっそう細めた。
「いや、たいしたことではないよ。肥前屋さんとは子どもの時分から懇意にして貰い、殊に仁左衛門さんには弟のように可愛がって貰った。私にできることであればと思ったまでのことだ。それよりも、そんな風に堅苦しくならずに、これまでのように気楽に喋ってくれないか。そう固くなられたら、私の方までが調子が狂ってしまう」
「ごめんなさい」
お逸はうつむくと、うす赤くなった。
お逸が両手をついて頭を下げると、清五郎は細い眼をなおいっそう細めた。
「いや、たいしたことではないよ。肥前屋さんとは子どもの時分から懇意にして貰い、殊に仁左衛門さんには弟のように可愛がって貰った。私にできることであればと思ったまでのことだ。それよりも、そんな風に堅苦しくならずに、これまでのように気楽に喋ってくれないか。そう固くなられたら、私の方までが調子が狂ってしまう」
「ごめんなさい」
お逸はうつむくと、うす赤くなった。