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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第3章 第一話【天つみ空に】 其の参
「私には、そのような憶えはありませんし、他の男の方と睦まじうしたりはしておりません」
ひと息に断じると、清五郎が舌打ちを聞かせた。
「全っく、とんだ女(アマ)だ。それでは、有り体に言おう。昨日、お前は随明寺で何をしていた。大池のほとりで、私以外の男と懇ろになっていたのではないのか」
その瞬間、お逸の身体中の血がサアッーと音を立てて引いていくようだった。顔色が変わったのを見た清五郎がしてやったりとばかりに口の端を引き上げる。
ひと息に断じると、清五郎が舌打ちを聞かせた。
「全っく、とんだ女(アマ)だ。それでは、有り体に言おう。昨日、お前は随明寺で何をしていた。大池のほとりで、私以外の男と懇ろになっていたのではないのか」
その瞬間、お逸の身体中の血がサアッーと音を立てて引いていくようだった。顔色が変わったのを見た清五郎がしてやったりとばかりに口の端を引き上げる。