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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第3章 第一話【天つみ空に】 其の参
馬鹿にしたような口調だ。その態度や表情は、まるで端からお逸の言葉を信じてはおらぬといった風だ。
清五郎がお逸を睨み据えた。
「この際だがら、はっきりと申しておくが、私はお前に金を返して貰おうとは考えていない。良いか、このことだけはよく心得ておけ。お前は私に金で買われたも同然の妻なのだ。ゆえに、お前が私に金を支払う必要は全くない。ただ、その代価として、お前は私のものにならなければならない、そういうことだ」
清五郎がお逸を睨み据えた。
「この際だがら、はっきりと申しておくが、私はお前に金を返して貰おうとは考えていない。良いか、このことだけはよく心得ておけ。お前は私に金で買われたも同然の妻なのだ。ゆえに、お前が私に金を支払う必要は全くない。ただ、その代価として、お前は私のものにならなければならない、そういうことだ」