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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第3章 第一話【天つみ空に】 其の参
「信じていたのに!」
父のように、兄のように思い、その優しさにどれほど感謝していたか知れないのに。
お逸が涙ながらに清五郎に訴えると、清五郎が鼻で嗤った。
「流石に親馬鹿などうしようもない父親に甘やかされて育った世間知らずの娘だな。甘いこと、この上ない。誰がちゃんとした利益も得もないのに、ただの親切心だけであれだけの借金の肩代わりなんぞするものか。お前という戦利品を得ることができるからこそ、私は金を出してやったのさ」
あまりにも酷い科白に、お逸は言葉を失う。
父のように、兄のように思い、その優しさにどれほど感謝していたか知れないのに。
お逸が涙ながらに清五郎に訴えると、清五郎が鼻で嗤った。
「流石に親馬鹿などうしようもない父親に甘やかされて育った世間知らずの娘だな。甘いこと、この上ない。誰がちゃんとした利益も得もないのに、ただの親切心だけであれだけの借金の肩代わりなんぞするものか。お前という戦利品を得ることができるからこそ、私は金を出してやったのさ」
あまりにも酷い科白に、お逸は言葉を失う。