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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第3章 第一話【天つみ空に】 其の参
ふいに手首を掴まれ、強い力で引き寄せられた。逞しい男の力と、十五の娘の力では所詮比べものにはならない。清五郎の顔が近付いてくるのを烈しく首を振って拒みながらも、お逸の眼からは次々に涙の雫が溢れた。
「この分では、男は初めてだな。私は真吉ととっくにと思っていたんだが、良かった」
満足そうな吐息が熱く濡れ、お逸の耳許をかすめる。背筋がゾクリとして、嫌悪感が湧き上がった。
この男の言葉がまるで理解できない。清五郎にとって何が良かったのかも判らぬままに、お逸は悲鳴を上げた。
「この分では、男は初めてだな。私は真吉ととっくにと思っていたんだが、良かった」
満足そうな吐息が熱く濡れ、お逸の耳許をかすめる。背筋がゾクリとして、嫌悪感が湧き上がった。
この男の言葉がまるで理解できない。清五郎にとって何が良かったのかも判らぬままに、お逸は悲鳴を上げた。