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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第1章 第一話【天つみ空に】 其の壱
「ああ」
清五郎は頷き、鷹揚な笑みを浮かべた。
「その話なら、大方は縹屋さんの勘違いだろう。私は確かに縹屋さんには、お逸ちゃんを妻に申し受けたいと言ったのだが、その際、表向きは女房として迎えても、内実は養女に迎えるようなものだからと言った。そのつもりゆえ、祝言なども一切派手派手しいことはしないつもりだ」
お逸は言葉を失った。山ほどの借金を肩代わりして貰った挙げ句に、文句を言えるはずではないのは判っているけれど、清五郎の言い分はどうにも腑に落ちない。
清五郎は頷き、鷹揚な笑みを浮かべた。
「その話なら、大方は縹屋さんの勘違いだろう。私は確かに縹屋さんには、お逸ちゃんを妻に申し受けたいと言ったのだが、その際、表向きは女房として迎えても、内実は養女に迎えるようなものだからと言った。そのつもりゆえ、祝言なども一切派手派手しいことはしないつもりだ」
お逸は言葉を失った。山ほどの借金を肩代わりして貰った挙げ句に、文句を言えるはずではないのは判っているけれど、清五郎の言い分はどうにも腑に落ちない。