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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第4章 第一話【天つみ空に】 其の四

楼主の抜け目のない視線が二人の上を忙しなく往復し、その眼がお逸の前で止まった。
娘は色黒で、その膚はまるで炭団(たどん)(炭の粉をふのりで固めた燃料)のようだ。よくよく見れば、眼鼻立ちはそう悪くはないようだが、ずっとうつむき加減で、しかとは判じ得ない。だが、ちらと一瞥した限りでは、眉は女にしてはいささか濃すぎるし、唇は青ざめて、血の気もない。
おまけに、年齢のせいもあるかもしれないが、身体つきは貧弱で、女らしい豊満さは全くない。この歳頃であれば、廓にいれば、もう一、二年もすれば、突き出し(水揚げ)をしてもおかしくはない歳だというのに。
娘は色黒で、その膚はまるで炭団(たどん)(炭の粉をふのりで固めた燃料)のようだ。よくよく見れば、眼鼻立ちはそう悪くはないようだが、ずっとうつむき加減で、しかとは判じ得ない。だが、ちらと一瞥した限りでは、眉は女にしてはいささか濃すぎるし、唇は青ざめて、血の気もない。
おまけに、年齢のせいもあるかもしれないが、身体つきは貧弱で、女らしい豊満さは全くない。この歳頃であれば、廓にいれば、もう一、二年もすれば、突き出し(水揚げ)をしてもおかしくはない歳だというのに。

