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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第5章 第二話【春の日】其の壱
伊勢屋を出る間際、女中のおみねが嘲笑混じりに言ったことがある。
―随明寺でのあなたたち二人を見てれば、あんたたちが惚れ合っているのは三つの子どもでも判ることよ。
おみねが清五郎に真吉とお逸の仲についてあることないことを密告したため、憤った清五郎が嫉妬のあまり、お逸を手込めにしようとしたのだ。それまで信頼していたおみねに裏切られた心の痛手も大きかったけれど、おみねが去り際に投げつけたこの言葉は、お逸に更に大きな衝撃を与えた。
―随明寺でのあなたたち二人を見てれば、あんたたちが惚れ合っているのは三つの子どもでも判ることよ。
おみねが清五郎に真吉とお逸の仲についてあることないことを密告したため、憤った清五郎が嫉妬のあまり、お逸を手込めにしようとしたのだ。それまで信頼していたおみねに裏切られた心の痛手も大きかったけれど、おみねが去り際に投げつけたこの言葉は、お逸に更に大きな衝撃を与えた。