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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第5章 第二話【春の日】其の壱
―まさか、幾ら売れっ妓でも、そこまで人眼に立つことは、おいそれとはできないでしょ。おしがさんに見つかったら、それこそただでは済まないもの。
―それがね、要領の良い東雲さんのことだから、上手くやったって話。
―それにしても、大胆ねえ。真っ昼間から男を部屋に引っ張り込むなんて。
―そこはほら、お馴染みさんに手紙を届けて欲しいとか何とか用事をこしらえて呼び出したらしいわよ。で、後は―。
お逸より三つ年上の女中が意味ありげに口をつぐむと、一方の年かさの女中が年甲斐もない声を上げた。
―それがね、要領の良い東雲さんのことだから、上手くやったって話。
―それにしても、大胆ねえ。真っ昼間から男を部屋に引っ張り込むなんて。
―そこはほら、お馴染みさんに手紙を届けて欲しいとか何とか用事をこしらえて呼び出したらしいわよ。で、後は―。
お逸より三つ年上の女中が意味ありげに口をつぐむと、一方の年かさの女中が年甲斐もない声を上げた。