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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第5章 第二話【春の日】其の壱
この歌は、亡き父が愛したもので、その昔、父が母に求婚した際にもこの歌を贈ったという想い出がある。お逸はその誰にも語ったことのない父の話を真吉に話したことがある。
あれは随明寺の大池のほとり、燃え盛る紅葉の樹の下での想い出だ。あの日、真吉とお逸の距離は大きく近付くことになった。お逸にとっても生涯初めての恋にまつわる大切な想い出の歌となった―。
真吉もお逸も同じ廓の内にいながら、滅多に逢えない。真吉もお逸もそれぞれの仕事を精一杯こなしつつも、互いのことを想い合い、新しい場所で懸命に生きてゆこうとしていた。
あれは随明寺の大池のほとり、燃え盛る紅葉の樹の下での想い出だ。あの日、真吉とお逸の距離は大きく近付くことになった。お逸にとっても生涯初めての恋にまつわる大切な想い出の歌となった―。
真吉もお逸も同じ廓の内にいながら、滅多に逢えない。真吉もお逸もそれぞれの仕事を精一杯こなしつつも、互いのことを想い合い、新しい場所で懸命に生きてゆこうとしていた。