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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第6章 第二話【春の日】其の弐
東雲は一通の書状を差し出した。薄様の紙に流麗な手蹟で書かれた手紙は、東雲自身の手になるものだ。花魁ともなれば、読み書きはむろん、琴や詩歌から諸芸万端に至るまでを身につけていなければならない。花魁の馴染みとなる客は、大抵は大店の旦那衆か、ときには高禄の武士といった金持ちや身分の高い輩が多かったからである。
それなりの教養を持つ客の相手もちゃんとできるように、花魁もまたそれだけの知識・教養を備えていなければならなかった。
それなりの教養を持つ客の相手もちゃんとできるように、花魁もまたそれだけの知識・教養を備えていなければならなかった。