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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第6章 第二話【春の日】其の弐
真吉は東雲の意図を計りかね、その美しい面を見つめた。
―真さん、少し肩を揉んで下さんせ。
唐突に命じられた。ここで素気なく拒んで花魁の機嫌を損じても、後々厄介なことになる。真吉は仕方なく言われたとおり、東雲の背後に回りその肩をしばらく揉んだ。
近付いた途端、東雲の着物に焚きしめている香のかおりが鼻腔をくすぐる。手のひらに伝わってくる膚のやわらかさは薄い襦袢一枚を通してはっきりと感じられた。