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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第6章 第二話【春の日】其の弐
しかし、事がそうそう上手く運ぶはずもない。初瀨も男も直に追っ手に捕らえられ、男の方は滅多蹴りにされた挙げ句、虫の息になったところを道端に放り出された。一方の初瀨は廓内で若い衆数人に寄ってたかって折檻される憂き目になった。両手を後ろ手に縛められ、鞭で打たれ続ける。気絶すれば、水を頭からかけられ、また折檻が延々と続く。
その若い衆の中に信八もむろんいた。折檻もかれこれ一刻余りに及ぼうかという頃、信八が言った。
―そろそろ、これくれえにしちゃア、どうだ。これ以上、痛めつけたら、こいつは死んじまうぜ。
その若い衆の中に信八もむろんいた。折檻もかれこれ一刻余りに及ぼうかという頃、信八が言った。
―そろそろ、これくれえにしちゃア、どうだ。これ以上、痛めつけたら、こいつは死んじまうぜ。