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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第7章 第二話【春の日】其の参
手習いにしろ、芸事にしろ、幼い頃から松風は衆に抜きん出ており、東雲などが勝てるものではなかった。どれほど血の滲むような努力をしても、東雲が松風を凌ぐことはできなかった。そして、それは、今でも続いている。
眉をひそめる東雲に、松風は婉然と笑いかけた。流石に、こうなると貫禄の差というものが自ずから出てくる。普段は儚げな、雨に打たれた花のような風情の松風が数倍も大きく圧倒的な存在感を発揮してくるから、不思議だ。
眉をひそめる東雲に、松風は婉然と笑いかけた。流石に、こうなると貫禄の差というものが自ずから出てくる。普段は儚げな、雨に打たれた花のような風情の松風が数倍も大きく圧倒的な存在感を発揮してくるから、不思議だ。