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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第1章 第一話【天つみ空に】 其の壱
と、丸顔の方が今度は刀を抜いて飛びかかってくる。秋の陽光に、白刃がキラリと光った。
―危ないッ。今度こそ、やられてしまう。
お逸は思わず眼を背けた。だが、わずか後、お逸の耳に飛び込んできたのは、丸顔の侍の情けない悲鳴であった。
「う、うへえ」
どうやら、男は脚許に落ちていた棒きれを拾い上げ、それを木刀代わりにしたらしい。丸顔の侍は男に棒きれで手をしこたま叩かれ、あまりの痛みに悲鳴を放ち、剣を取り落としていた。
全く、口ばかりの情けない侍たちであった。
―危ないッ。今度こそ、やられてしまう。
お逸は思わず眼を背けた。だが、わずか後、お逸の耳に飛び込んできたのは、丸顔の侍の情けない悲鳴であった。
「う、うへえ」
どうやら、男は脚許に落ちていた棒きれを拾い上げ、それを木刀代わりにしたらしい。丸顔の侍は男に棒きれで手をしこたま叩かれ、あまりの痛みに悲鳴を放ち、剣を取り落としていた。
全く、口ばかりの情けない侍たちであった。