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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第7章 第二話【春の日】其の参
松風はすっと東雲に近寄り、その手を掴んだ。
「こちらへ来なんし」
いつになく緊張した面持ちの松風に、ひっと、東雲が悲鳴を上げた。
「別に東雲さんを取って喰おうとしているわけではありんせん。この話、他の誰にも聞かせたいものではありいせん」
松風は東雲を強い力で引っ張った。半ば引きずられるような恰好で、東雲は隣の松風の部屋に引き入れられた。全く、この華奢な花魁のどこにこのような力が潜んでいるのかと思うほどの強さだ。
「こちらへ来なんし」
いつになく緊張した面持ちの松風に、ひっと、東雲が悲鳴を上げた。
「別に東雲さんを取って喰おうとしているわけではありんせん。この話、他の誰にも聞かせたいものではありいせん」
松風は東雲を強い力で引っ張った。半ば引きずられるような恰好で、東雲は隣の松風の部屋に引き入れられた。全く、この華奢な花魁のどこにこのような力が潜んでいるのかと思うほどの強さだ。