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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第7章 第二話【春の日】其の参
「階下に何をしに行くつもりでありんしたか」
改めて問うと、東雲は鼻で嗤う。どうやら、完全に態勢を立て直したようだ。
「あちきがどこに何をしに行こうと、松風さんには何の拘わりもないことでありんしょう」
東雲は、あくまでシラを切ろうとする。
刹那、松風の口調がガラリと変わった。
「ええい、まどろっこしいね。ありんす、ありんすなんて言ってたら、いつまでも話の埒があかねえや。東雲さん。あんたの了見は端からこちらとお見通しだよ。あんた、お逸ちゃんと真吉さんの仲をお父さんとおしがさんに告げ口するつもりだったんだろう」
改めて問うと、東雲は鼻で嗤う。どうやら、完全に態勢を立て直したようだ。
「あちきがどこに何をしに行こうと、松風さんには何の拘わりもないことでありんしょう」
東雲は、あくまでシラを切ろうとする。
刹那、松風の口調がガラリと変わった。
「ええい、まどろっこしいね。ありんす、ありんすなんて言ってたら、いつまでも話の埒があかねえや。東雲さん。あんたの了見は端からこちらとお見通しだよ。あんた、お逸ちゃんと真吉さんの仲をお父さんとおしがさんに告げ口するつもりだったんだろう」