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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第8章 第三話 【白妙菊の約束】其の壱
何より、このお逸に、甚佐はしきりに引っかかりを憶えてならないのだ。それが何なのかと問われれば、今はまだはきとは応えられない。しかし、二十年余りもの間、女郎屋の主人として見世を切り盛りしてきた亡八の勘が何かを告げていることだけは判る。
そして、その〝何か〟は、徐々にではあるが、次第に明確な形を取り始めてきている。おしがは長年女郎を勤めただけあって、おろくという少女に眼を付けたのは流石だ。現に、たった今も、そのことについては、おしがに労をねぎらってやったばかりだ。
そして、その〝何か〟は、徐々にではあるが、次第に明確な形を取り始めてきている。おしがは長年女郎を勤めただけあって、おろくという少女に眼を付けたのは流石だ。現に、たった今も、そのことについては、おしがに労をねぎらってやったばかりだ。