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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第2章 第一話【天つみ空に】 其の弐

伊勢屋での暮らしは、快適そのものであった。清五郎はお逸を娘のように大切に扱い、むろんのこと、閨を共にすることもない。お逸のすることといえば、自室で絵を描くことか、琴をかき鳴らす程度のものなのだ。贅沢を承知で言うならば、あまりにも快適すぎて、することが何もない、退屈だというくらい。
その合間には、気散じに行っておいでと、こうして外に出してくれる。
お逸主従は、ゆっくりと広い境内をそぞろ歩いた。金堂でお賽銭を上げて、しばし手を合わせた後、三重ノ塔を横目に見ながら、更に奥へと進む。
その合間には、気散じに行っておいでと、こうして外に出してくれる。
お逸主従は、ゆっくりと広い境内をそぞろ歩いた。金堂でお賽銭を上げて、しばし手を合わせた後、三重ノ塔を横目に見ながら、更に奥へと進む。

