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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第8章 第三話 【白妙菊の約束】其の壱
おしが自身、この花乃屋で女郎奉公を続けたという経緯がある。客を取らなくなり番頭新造を経て、今のやり手になった。この見世にもう十年以上奉公する同じ女中仲間のおくみに聞いたところによれば、おしがは亭主持ちであったという。亭主は腕の良い大工であったが、足場から落ちたときの怪我が因(もと)で、二度と仕事ができなくなった。
そのため、鬱々として引きこもりがちになっていたのが、次第に気慰みに賭場に出入りするようになった。賭場で作った借金がかさみ、どうにもならなくなって、女房のおしがを遊廓に売り飛ばしたのだ。
そのため、鬱々として引きこもりがちになっていたのが、次第に気慰みに賭場に出入りするようになった。賭場で作った借金がかさみ、どうにもならなくなって、女房のおしがを遊廓に売り飛ばしたのだ。