この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第9章 第三話 【白妙菊の約束】其の弐
「そうかい、元々、あの娘は真吉の妹という触れ込みで突然転がり込んできた。真吉の用心棒としての腕を必要としていなければ、あんな薄汚れた小娘なぞ、とうに放り出していただろう。言ってみりゃア、どこの馬の骨ともしれねえ小娘をお情けで置いてやっているだけのこと、そんな素性の知れねえ小娘なら、盗っ人どころか人殺しをしたって、おかしくはねえ」
甚佐が吐いて捨てるように言うと、おしががキッとして楼主を睨み据えた。
甚佐が吐いて捨てるように言うと、おしががキッとして楼主を睨み据えた。