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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第10章 第三話 【白妙菊の約束】其の参
先刻以上に辛辣に断じるのに、お逸はわずかに眉をひそめた。
「紫乃ちゃん! 人には言っても良いことと悪いことがあるものよ。あなたほどの歳になれば、それくらいは判るものでしょ」
「お前なんぞに何が判るというでありんすか? このうすのろが割っちまった花入れは東雲姐さんがいっとう大切になさっているものにござりんす。それを割ったからには、妙乃さんだけではなく、このあちきまで姐さんにきつうお叱りを受けなんすよ」
「紫乃ちゃん! 人には言っても良いことと悪いことがあるものよ。あなたほどの歳になれば、それくらいは判るものでしょ」
「お前なんぞに何が判るというでありんすか? このうすのろが割っちまった花入れは東雲姐さんがいっとう大切になさっているものにござりんす。それを割ったからには、妙乃さんだけではなく、このあちきまで姐さんにきつうお叱りを受けなんすよ」