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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第10章 第三話 【白妙菊の約束】其の参 
 お逸は東雲のその言葉に胸を突かれた。
 東雲が後生大切にしていた花器というのは、かなり大ぶりの青磁の壺で繊細な模様が入っている見事なものであった。
 その壺はかつての松風の馴染みの一人、呉服太物問屋の隠居が松風に贈り、松風自身も気に入って大切にしていたものだと聞いていた。
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