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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第11章 第四話【恋月夜】 其の壱
頭を両の腕に乗せ、仰向けに寝転んだお逸の頭上いっぱいに蒼空がひろがっている。寝転んで蒼い空を見上げていると、風が吹く度に、花びらがひらりひらりと頭上を横切り、舞い流されてゆく。
卯月の初めの陽をいっぱいに浴びた花びらは透明にも見え、眩しく光を弾きながら、くるくると舞い踊っていた。その風と戯れるかのような可憐な花びらの舞を飽くことなしにいつまでも眺めている。それは、まさに辛い現実を忘れてしまうような、至福の一瞬だ。
卯月の初めの陽をいっぱいに浴びた花びらは透明にも見え、眩しく光を弾きながら、くるくると舞い踊っていた。その風と戯れるかのような可憐な花びらの舞を飽くことなしにいつまでも眺めている。それは、まさに辛い現実を忘れてしまうような、至福の一瞬だ。