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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第11章 第四話【恋月夜】 其の壱
人形のように虚ろになっているお逸の着物をおしがが脱がせようとする。帯を半ばほど解かれたところで、お逸がハッと我に返った。
「何をするの、止めて下さい」
「旦那の命令だ」
おしがは抑揚のない声で淡々と言う。
「お前がどうしても嫌だというのなら、無理に手伝おうとは言わない。だが、旦那の命に逆らえないことは、お前もよく心得てるだろう? あたしは外で待ってるから、さっさと湯に入っておいで」